dxt/dt=rxt(1-xt/K) ⇔ xt=K/(1+(K/x0-1)e-rt)

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指数関数的成長は実際の状況ではあまり見ることができません。なぜなら、どのような生物にも、動物であれば餌や巣穴の場所、植物であればよく日の当たる場所や肥料、バクテリアであれば養分と言ったように、それぞれ有限にしか存在しない資源を消費しながら個体数を維持・増殖させていくからです。この、資源の消耗を考慮したモデルがロジスティック成長曲線です。ロジスティック成長モデルは単純さを持ちながら指数関数的増殖よりも現実に適合しているため、個体群の成長を表現するときによく使われます。

このモデルでは、環境の維持できる上限の個体数というものが仮定されています。この上限の個体数を環境収容力Kと言います。密度による増殖速度の抑制を密度効果と言いますが、このモデルでは密度効果が(1-xt/K)として導入されています。K以外のパラメーターとしてrがありますが、これは十分に栄養などの資源がある状況下での増殖率を表しています。すなわち、この密度効果の影響を受けていない時には増殖率rで指数関数的成長をするということを示唆します。そして、やがて個体数が増えていきたところで密度効果が強くなり始め、個体数が環境収容力Kに近づく頃には密度効果は非常に大きくなり個体数の変動はなくなります。最終的に個体数は環境収容力Kに収束します。これは初期個体数が環境収容力Kより大きかった時にも同様で、初期個体数が資源量に対して多すぎると環境収容力Kまで個体数は減少します。


r : Intrinsic Rate of Natural Increace

K : Carrying Capacity

x0 : Initial Population

Simulation Time